ホームページを公開したものの、更新できていない。制作会社には頼んでいるが、改善提案までは出てこない。アクセス解析の数字は見られるものの、次に何を変えればいいのか分からない。
こうした状況でWeb運用を外注しようとすると、「制作会社」「ホームページ運用代行」「Webコンサル」など、さまざまな選択肢が出てきます。
大まかに整理すると、まず検討しやすいのは次のような支援です。
| 今困っていること | まず検討したい支援 |
|---|---|
| サイトそのものを作り直したい | 制作会社・Webリニューアル支援 |
| 更新内容は決まっているが手が回らない | ホームページ運用代行 |
| アクセスはあるが成果につながらない | アクセス解析・改善型の運用支援、Webコンサル |
| 何が問題なのか自体が分からない | 戦略・解析・実行を横断して整理できる支援 |
ただし、これはあくまで目安です。
実際に公開されているWeb運用サービスを見ると、制作会社が日々の更新や保守だけでなく、検索エンジン対策(SEO)、アクセス解析、サイト改善まで扱う例があります。運用代行でも、分析や改善提案、優先順位の整理まで含むサービスがあります。Webコンサルも、分析・提案だけではなく、制作会社へのディレクションや簡単な実装まで対応する場合があります。東京のWeb制作会社|株式会社クーシー
そのため、Web運用の外注先は会社の種類だけでは決められません。
この記事ではWeb運用を、**「考える・実行する・測る・次を決める」**の4つの役割に分けて、自社では何を担い、何を外部に任せるべきかを整理します。
Web運用には「作業」だけでなく「判断」も含まれる
「ホームページの運用をお願いしたい」と言っても、人によって想定する仕事はかなり違います。
お知らせの更新や画像の差し替えを思い浮かべる人もいれば、アクセス解析から問い合わせ導線を改善するところまで含めて考える人もいます。
Web運用の仕事を4つの役割で見ると、次のように整理できます。
| 役割 | 意味 | 含まれる仕事の例 |
|---|---|---|
| 考える | 何が問題なのかを整理する | 課題整理、ターゲット確認、改善案、SEO方針、施策立案 |
| 実行する | 決めた施策を形にする | 保守、更新、制作、記事作成、ページ改修、CTA変更 |
| 測る | 実行した結果を確認する | GA4、Search Console、問い合わせなどの成果(CV)、重要指標(KPI)の確認 |
| 次を決める | 結果から次の対応を選ぶ | 継続・修正・中止、優先順位、予算配分 |
ここでいうCTAとは、問い合わせボタンなど、ユーザーに次の行動を促すボタンや導線のことです。GA4はWebサイト内の行動を確認するアクセス解析ツール、Google Search ConsoleはGoogle検索での表示状況などを確認するためのツールです。
最初の「考える」は、施策を始める前に課題を見つけること。最後の「次を決める」は、実行した結果を受けて優先順位を更新することです。
発注時に認識がずれやすいのは、「Web運用」という一言の中に、実務と判断の両方が含まれているからです。
たとえば、発注側は「サイトを良くしてほしい」と考えているのに、受注側は「指定された文章や画像を更新する仕事」と認識している。その場合、契約通りに作業が進んでいても、発注側には「何も提案してくれない」という不満が残ります。
反対に、改善提案まで含むサービスを利用していても、社内にも外部にも実行する人がいなければ、提案だけが積み上がります。
「Web運用を依頼したい」ではなく、4つのうち、どの役割を任せたいのかまで確認しておくことが重要です。
制作会社・運用代行・Webコンサルは何が違うのか
一般的には、制作会社はWebサイトを作ること、運用代行は公開後の実務、Webコンサルは課題分析や改善方針を考えることを得意とします。
ただし、以下はあくまで一般的な傾向です。実際の対応範囲は会社によって異なります。
| 比較項目 | 制作会社 | 運用代行 | Webコンサル |
|---|---|---|---|
| サイト制作・改修 | 得意なことが多い | 対応範囲による | 対応しない場合もある |
| 日常的な更新 | 対応する会社も多い | 主業務になりやすい | 対応範囲による |
| アクセス解析 | 会社による | 会社による | 得意なことが多い |
| 改善提案 | 会社による | 会社による | 主業務になりやすい |
| 改善施策の実装 | 得意なことが多い | 対応する会社もある | 外部連携や実装支援の場合もある |
| 優先順位の整理 | 会社による | 会社による | 得意なことが多い |
「会社による」が多いのは、比較表が曖昧だからではありません。実際にサービスの境界が重なっているからです。
たとえば、現在公開されているホームページ運用代行サービスには、更新・保守だけでなく、アクセス解析から改善箇所の特定、制作・実装、効果検証までを支援するものがあります。また、別の運用代行サービスでは、料金プランによって更新作業だけでなく、専任ディレクター、アクセス解析、改善提案、定例会まで含まれています。東京のWeb制作会社|株式会社クーシー
つまり、
「制作会社だから制作だけ」
「運用代行だから更新作業だけ」
「Webコンサルだから提案だけ」
とは限りません。
比較するときに確認したいのは肩書きではなく、考える・実行する・測る・次を決めるのうち、どこまで担ってくれるのかです。
外注先を探す前に、4つの役割を誰が担うか決める
誰が考えるのか
問い合わせが少ないとき、「SEOを強化しましょう」という提案が正しいとは限りません。
検索から十分なアクセスがあるのに、サービスページから問い合わせへ進んでいないのかもしれません。そもそも狙っている顧客とは違う人が来ている可能性もあります。
SEO、広告、記事制作といった手段を先に決めるのではなく、事業の目的や顧客、現在のデータを見ながら、何が問題なのかを整理する役割が必要です。
誰が実行するのか
課題が分かっても、Webサイトが実際に変わらなければ成果にはつながりません。
たとえば「このCTAは改善した方がいいですね」という提案が出ても、誰が新しい文言を考え、誰がサイトへ反映するのかが決まっていなければ施策は進みません。
社内で制作できるなら、提案だけを外注する形でも構いません。実装まで任せる必要があるなら、その範囲まで対応できる相手を選ぶ必要があります。
誰が測るのか
施策を実行したら、結果を確認します。
GA4やSearch Consoleを導入していても、「データがあること」と「データを改善に使えていること」は別です。
毎月のレポートにPV、ユーザー数、流入元、検索順位が並んでいても、「今月はアクセスが5%増えました」で会議が終わり、「だから来月は何を変えるのか」が決まらないのであれば、測定結果が運用につながっているとは言いにくいでしょう。
数字を見る目的は、報告することではなく、次の判断材料を得ることです。
誰が次を決めるのか
結果を確認すると、たいてい複数の改善候補が出てきます。
記事を増やす。サービスページを書き直す。CTAを変更する。フォームを改善する。広告を試す。
しかし、すべてを同時には実行できません。
予算や人員、事業上の優先事項を踏まえて、何を先に行い、何を後回しにし、何をやらないのかを決める必要があります。
分析や改善提案があっても、この判断を担う人がいなければ、Web運用は止まりやすくなります。
自社では、どの役割が足りていないのか
サイトそのものが古く、作り直したい
デザインが古い、スマートフォンで使いにくい、現在のサービス内容とサイトが合っていない。こうした場合は、日常運用の前にサイトそのものを見直す必要があります。
制作会社やWebリニューアル支援が候補になります。
ただし、見た目を新しくするだけでよいのか、顧客や導線、公開後の計測まで見直すのかで、必要な支援範囲は変わります。
markeTransのWebリニューアル支援では、顧客・提供価値・導線・重要指標を整理し、公開後に顧客行動を計測できる状態まで含めて設計しています。既存の制作会社と連携しながら役割分担を整理することも可能です。
更新内容は決まっているが、手を動かす人がいない
何を更新するかは決まっているのに、社内に作業する人がいない。
この場合に不足しているのは「実行する」役割です。
お知らせ更新、文章修正、画像差し替えなどを安定して任せられるホームページ運用代行との相性がよいでしょう。
必ずしも分析やコンサルティングまで契約する必要はありません。
アクセスはあるが、問い合わせにつながらない
この場合は「測る」と「考える」が必要です。
どのページに人が来ているのか。サービスページまで進んでいるのか。CTAはクリックされているのか。フォームまで到達しているのか。
顧客行動を確認し、問題がどこにあるのかを整理したうえで改善策を考えます。
アクセス解析や改善まで扱える運用支援、Webコンサルなどが候補になります。
markeTransの継続マーケティング支援でも、ウェブ解析から「何が起きているか」「なぜ起きたか」を整理し、優先順位を決めて改善へつなげることを支援範囲としています。
何が問題なのか自体が分からない
サイトはある。SNSも更新している。GA4も入っている。それでも、何から手をつけるべきか分からない。
この状態で「とりあえずSEO」「とりあえず記事更新」と手段から決めると、本来の課題と施策がずれる可能性があります。
このケースでは、「考える」「測る」「次を決める」を横断して支援できる相手が候補になります。その後に必要となる制作や改修を、誰が実行するのかまで確認しておくと、判断後に施策が止まりにくくなります。
外注先との商談では、6つのことを確認する
サービス資料や料金表だけでは、実際の支援範囲が分からないことがあります。
商談では次の点を具体的に確認してみてください。
| 確認すること | 聞いておきたい内容 |
|---|---|
| どこまで実務を担当するか | 更新、制作、記事、SEOなど、手を動かす範囲 |
| アクセス解析まで含むか | 数字を報告するだけか、原因や課題まで考えるか |
| 改善提案後の実行は誰がするか | ページ修正や制作まで依頼できるか |
| 優先順位を誰が決めるか | 改善案が複数あるとき、何を先に行うか |
| 定例会議で何を話すか | 数値報告だけか、仮説と次の施策まで決めるか |
| 成果を何で判断するか | PV、検索順位、問い合わせ、商談など何を見るか |
特に分かりやすいのが、「定例会議で何をするのか」です。
毎月数字を報告して終わるのか。それとも「このページから問い合わせまで進む割合が下がっているので、来月は導線を変えて結果を確認しましょう」まで決めるのか。
同じ「月次運用」でも、支援の中身はかなり違います。
Web運用を外注しても、事業の判断まで丸投げする必要はない
Web運用の多くは外注できます。
一方で、今期どの商品を優先したいか、どの顧客を増やしたいか、営業現場では何が起きているか、今後どんなサービスを展開する予定かといった事情は、外部からWebサイトの数字だけを見ても分かりません。
だからといって、Web施策をすべて社内だけで考える必要もありません。
社内から事業の状況を共有し、外部の専門家がデータや専門知識から選択肢を整理し、そのうえで両者で優先順位を決める。こうした分担もできます。
内製か外注かの二択ではなく、何を社内で判断し、どこから外部の専門性を使うのかを決める方が現実的です。
見積もりは、月額だけでなく「何に対して払うのか」を比較する
Web運用の料金はサービスによって大きく異なります。その理由の一つは、「Web運用」という名前でも購入している仕事が違うからです。
料金の組み方もサービスによって異なります。たとえば、更新や制作のたびに費用が発生する形、決められた作業量を月額で依頼する形、分析・改善提案・定例会議などをまとめて月額で依頼する形、運用支援は月額でまとまった制作だけ別途費用とする形などがあります。
実際に公開されている運用代行サービスでも、月額プランごとに、更新作業だけでなく専任ディレクター、アクセス解析、キーワード調査、改善提案、定例会など、含まれる業務が異なります。EWMグループ
たとえば同じ月額契約でも、A社はWordPressの更新だけ、B社は更新に加えてアクセス解析と改善提案、C社は分析、優先順位の整理、制作、改修、効果検証まで含む、ということがあります。
この3社を月額料金だけで比べても、適切な判断にはなりません。
考える・実行する・測る・次を決めるのうち、どの役割への費用なのかを揃えて見ると、見積もりの違いが分かりやすくなります。
Web担当者がいない会社では、「必要な機能を社外に持つ」方法もある
専任のWeb担当者がいない企業では、「採用するか、制作会社に任せるか」と考えがちです。
しかし、一人ですべてを担う必要はありません。
更新は制作会社、広告は代理店、アクセス解析は別の専門家という形で分担しても構いませんし、複数の役割を横断して見る外部パートナーを置く方法もあります。
重要なのは、「何でもやってくれる会社を探す」ことではなく、自社に足りない機能を整理して、社内外でどう組み合わせるかです。
こうした横断型の支援も選択肢の一つです。markeTransでも、継続マーケティング支援ではウェブ解析を起点に、必要な専門性を組み合わせながら、改善の優先順位や実行を支援しています。現在の制作会社が適任であれば、その会社と連携して進めることも支援方針として明示しています。マケトランス
すべての業務を一社へ集めることが目的ではありません。
必要な役割がつながり、Web上の施策が「実行して終わり」にならない状態をつくることが重要です。
自社のWeb運用を4つだけ確認する
外注先を探す前に、現在の運用について次の4点を確認してみてください。
- □ 何を改善すべきか分かっている
- □ 実行する人がいる
- □ 結果を確認する人がいる
- □ 結果から次の施策を決める人がいる
チェックが付かない項目が、外部に補ってもらう候補です。
すべてにチェックが付くのであれば、Web運用全体を外注する必要はなく、足りない専門作業だけを依頼すれば十分かもしれません。
まとめ|Web運用の外注先は「会社の種類」より「役割分担」で選ぶ
制作会社、ホームページ運用代行、Webコンサルには、それぞれ得意な領域があります。ただし、実際の支援範囲は会社によって異なります。
そのため、会社の名称より先に、
誰が考えるのか。
誰が実行するのか。
誰が測るのか。
誰が次を決めるのか。
を整理してみてください。
更新する人だけが足りないなら、運用代行で十分かもしれません。サイトそのものに問題があるなら、リニューアルが必要です。数字はあるのに改善につながらないのであれば、分析や判断を支援できる相手が必要です。
Web運用を外注することは、すべてを外部へ任せることではありません。
自社で持つ役割と、外部の専門家に補ってもらう役割を決めること。
そこが整理できれば、外注先を会社名や料金だけではなく、自社に必要な機能から比較できるようになります。
