今月の問い合わせは5件。

先月は7件。

2件減った。

では、Webサイトのどこを直せばいいでしょうか。

この数字だけでは分かりません。

フォームを短くするべきかもしれない。

そもそも問い合わせページへ誰も来ていないのかもしれない。

サービスページを読まれる前に離れているのかもしれない。

検索流入自体が減っているのかもしれない。

問い合わせ件数は重要ですが、原因を教えてくれる数字ではありません。

改善するためには、問い合わせまでの途中を分解しておく必要があります。

CVは「最後に起きた結果」

たとえば採用サイトなら、

サイトへ来る
→ 募集概要を見る
→ 研修・働き方を読む
→ 見学・相談ページへ進む
→ フォームを開く
→ 送信する

という流れがあります。

BtoBサイトでも、

流入
→ サービス詳細
→ 事例
→ 問い合わせページ
→ フォーム開始
→ 完了

のように分けられます。

実際のユーザーはこんなに一直線ではありません。

一度帰る人もいれば、事例から入る人もいます。

それでも、分析のために主要な段階を置いておくと、「問い合わせが少ない」という大きすぎる問題を分解できます。

どこで減ったかで、打ち手は変わる

問い合わせが減ったからといって、毎回フォームを直す必要はありません。

流入が減っている

検索、広告、SNS、Referralなど集客側を確認します。

流入は同じだが重要ページを読まれていない

トップページや導線、検索意図とのズレを疑います。

サービス詳細までは読まれるが問い合わせページへ進まない

内容、CTA、信頼材料、価格・条件の伝え方などを確認します。

フォーム開始はされるが完了しない

入力項目、エラー、スマートフォン操作、確認画面などを見ます。

最終結果は同じ「問い合わせ減」でも、原因候補はまったく違います。

だから、改善前に「どこで変化したか」を探します。

実際に、ThanksページPVとCVユーザーが違った

あるサイトで、フォーム完了後のThanksページを確認したところ、一定期間のページビューは46回でした。

一方、Thanksページへ到達したユーザーは35人。

もしPVをそのまま「問い合わせ46件」としていたら、実態と違う可能性があります。

同じ人による再読み込みや再訪、社内確認などが含まれることがあるからです。

もちろん、35人=必ず問い合わせ35件、とも限りません。

計測実装や実際の問い合わせ台帳との突合が必要です。

ここで大切なのは、

「CVを何で数えているか」を明確にすることです。

フォーム完了イベントなのか、Thanksページ表示なのか、ユーザー数なのか、CRM上の問い合わせ件数なのか。

同じ「CV数」という言葉でも、定義が違えば比較できません。

最終CVが少ないサイトほど、中間指標が役に立つ

月に100件の購入があるECなら、最終CVだけでもある程度傾向を見られます。

一方、BtoBや採用で月の問い合わせが2〜5件程度の場合。

1件増減しただけでCV率が大きく動きます。

このとき最終CVだけで、

「先月の施策は成功」

「今月は失敗」

と判断すると振り回されます。

だから、

  • 重要ページ閲覧
  • 問い合わせページ到達
  • フォーム開始
  • 完了

のような途中の行動も見ます。

これらを「成果」と水増しするためではありません。

最終成果が動く前に、どこが変わり始めているかを見るためです。

中間CVを増やしすぎない

ここで別の問題も起こります。

あれも計測。これもイベント。スクロール50%もクリックも全部CV。

すると、何が重要なのか分からなくなります。

私は、ユーザーの意思決定が一段進んだと考えられる行動だけを、主要な観測ポイントにします。

「料金を見た」「募集概要を見た」「問い合わせページへ進んだ」など、事業ごとに意味があるものです。

イベントを増やすことではなく、判断に必要なイベントを決めることが目的です。

ファネルは「離脱率を責める表」ではない

ファネルを見ると、

100人来た。30人しか次へ行かなかった。70人離脱した。

と考えがちです。

でも、その70人が全員失敗とは限りません。

自分には合わないと正しく判断した人もいる。

必要な情報だけ見て、後日戻る人もいる。

電話で問い合わせた人もいるかもしれません。

ファネルの目的は、100人全員を最後まで押し込むことではありません。

想定したユーザー行動と実際の動きが、どこでズレているかを見ることです。

計測設計がなければ、改善箇所を特定できない

「問い合わせを増やしたい」は、事業目標としては正しいです。

でもWeb改善の指示としては大きすぎます。

流入か。

情報設計か。

CTAか。

フォームか。

計測ミスか。

そこまで小さくして、初めて次に確認することが決まります。

つまり、ファネル計測はレポートを細かくするためではありません。

問い合わせが減ったときに、闇雲にサイトを触らなくて済むようにするためです。

アクセス解析の価値は、数字を報告することではなく、次の改善箇所を絞れることにあると思っています。

関連する知見

最終CVだけでなく、その手前を計測し、改善箇所を絞ります。

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