採用サイトに、会社が伝えたい情報はそろっている。それでも、候補者が知りたいことに答えられているとは限りません。仕事内容や待遇の紹介に加えて、「自分がここで働くと、どんな毎日になるのか」を想像できるかが大切です。

markeTransでは2024年12月3日、20〜40代の会社員300人を対象に、就職活動時に見た情報や感じた不安をインターネットで調査しました。この記事では、その結果を採用サイトの情報設計にどう生かせるか考えます。

この調査で分かること、分からないこと

調査はアイブリッジ株式会社のFreeasyを利用して実施したものです。回答者が現在の勤め先への就職活動を振り返る設問を含み、直近の求職者だけを対象にした調査ではありません。新卒・中途の違いや活動時期を区別した分析でもありません。

そのため、数値を現在の求職者全体に当てはめたり、特定の情報を載せれば応募が増えると解釈したりはできません。ここでは、自社の候補者に何を確かめるべきかを考える手がかりとして扱います。

採用サイトは、知らない会社を理解する入口になる

「現在の勤め先は就職活動以前から名前を知っていましたか」という問いには、46.7%が「知っていた」、45.0%が「知らなかった」、8.3%が「覚えていない」と回答しました。

知っていた人と知らなかった人が、どちらも一定数います。知名度が採用成果を決めるとまでは言えませんが、初めて会社を知る人にも分かる説明を用意する必要はあります。社内では当たり前の事業内容や職種名も、候補者には通じないかもしれません。

また、「就職活動時、企業の採用サイトを見ましたか」には、52.7%が「見た」と回答しました。「見ていない」は33.3%、「覚えていない」は14.0%でした。採用サイトだけですべての候補者に届くわけではありません。求人媒体やSNSなどで知った内容を、サイトでも確かめられるようにすることが基本です。

まず、働く条件と仕事の実態を探しやすくする

就職活動時に特に気にして見ていた情報では、仕事内容58.3%、給与46.3%、募集要綱33.3%、福利厚生27.7%などが挙がりました。この設問は、採用サイトだけに限定した閲覧情報を尋ねたものではありません。

それでも、サイトを見直す際の問いは立てられます。仕事の範囲が職種名だけで終わっていないか。給与の条件や募集要件が、探し回らなければ見つからない場所にないか。応募前に確かめたい基本情報が、候補者の言葉で説明されているか。

理念やメッセージも大切です。ただ、それを読む前提となる仕事内容や条件が分からないままでは、自分に合う職場かどうかを判断しにくくなります。

人間関係への不安を、抽象的な言葉で済ませない

就職活動時の不安を最大3つ選ぶ設問では、人間関係43.0%、業務内容42.7%、収入35.3%、働き方34.7%、やりがい24.3%という回答でした。人間関係と業務内容が並んで多く挙がっています。

「風通しの良い職場」「成長できる環境」と書くだけでは、その不安に答えきれません。相談する相手は誰か。入職後はどのように仕事を覚えるのか。忙しいときにどう助け合うのか。実際の場面が分かる説明に置き換えます。

  • 一日の仕事を、担当範囲やチームとの関わりと一緒に紹介する。
  • 入職直後のつまずきと、周囲がどう支えたかを伝える。
  • 働く時間や制度について、利用条件と運用の実態を示す。
  • 見学や面談で確かめられることと、相談方法を案内する。

社員紹介の閲覧回答が多くないからといって、社員の声が不要だとも言えません。どこに置かれ、どんな内容だったのかは、この調査だけでは分からないからです。「社員紹介」という形式より、候補者の疑問に答える中身を考えます。

自社の候補者の声で、次の改善を決める

この調査を、そのままページ構成の正解にする必要はありません。面接で繰り返し聞かれる質問、辞退時に分かる理由、見学後の感想と照らして、自社では何が足りないかを確かめます。

候補者が条件を理解し、仕事を想像し、必要なら質問できる。その流れを整えてから、応募数だけでなく、相談内容や入職後の認識のずれも見ていく。採用サイトを、応募ボタンへ誘導する場所から、働く判断を支える場所へ育てる考え方です。

調査資料の扱いについて:旧記事の「業務内容の事前理解」に関する設問は、図表間で集計値に不一致があるため、今回の考察から除外しました。上記の数値は、それ以外の原図で確認できた結果です。

採用サイトとSNSの役割を考える

初出:2024.12.04/再編集:2026.09.15