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顧客に刺さるブランドイメージの描き方|マーケティング戦略講座 [4] 

【コラム】 2024.02.14

STP分析とペルソナ設定で「誰に届けるか」を明確にしたあとは「何を届けるか」を決めるブランド戦略です。ターゲットに刺さるブランドイメージを具体的にするため、ブランディングの核になる言葉・イメージを掴みます。

この記事ではマーケティング戦略に必要なフレームワークの使い方とポイントを事例とともにお伝えします。ご自身・自社のマーケティング戦略にお役立てください。

このコラムについて

このようなお悩みに応えます

  • ブレないブランドイメージを構築したい
  • どうやってブランディングすればいいのかわからない

マーケティング戦略ワークショップ

  • 実際に手を動かしたいが、1人では迷走してしまう
  • 壁打ちしてほしい!

講座内容

  1. プロローグ+ 戦略上位概念とAsIsToBe 
  2. AB3C分析
  3. ターゲット設定(セグメンテーション・応えるニーズ・ペルソナ設定)
  4. ブランド設計(連想マップ・ポジショニング)、POP/POD、ブランドアイデンティティ、提供価値の言語化←【イマココ】
  5. マーケティングミックス(4P 分析)、カスタマージャーニーマップ、KPIツリー

ペルソナを元にブランドイメージを探る:連想マップ

自分(自社)の商品に価値を感じて購入してくれる人は誰か。前回のターゲティングで明確にしたペルソナが、商品やサービスに抱くイメージを連想マップで書き起こします。

昔、マジカルバナナという連想ゲームが流行りましたよね。

「バナナといったら黄色。黄色といったら……」ってやつですね。

その要領です。このワークでは、マップの中心に自社が提供するサービスを書いて、「◯◯といえば?」で連想されたものを否定も肯定もせず書き出します。

ブランドはイメージの集合体です。例えば「コカ・コーラ」から想起するイメージは多面的だと思います。クリスマスだったり、映画館のポップコーンのお供だったり。どんな連想にたどり着くか探りましょう。

連想マップの例:ふじねの場合

マインドマップの1段目から2・3段目まで掘り下げたところで共通点が見えてきました。私の場合、「繰り返す」「理想」「効果がわからない」みたいなイメージに集約されそうです。

連結が多いキーワードや何度も出てくるキーワードはブランドイメージの核になるのでメモしておきましょう。

誰よりも優位なポジションを探る:ポジショニングマップ

ポジショニングマップは自社が優位になる位置を視覚的に表現するフレームワークです。差別化できる指標を縦軸、横軸において、競合との有意差をわかりやすく表現できます。

まず、「機能的価値」と「情緒的価値」で必ず右上が自社のポジションになる指標を考えます。機能的価値は商品・サービスの機能や性能面の価値。情緒的価値とは商品・サービスの印象や感覚的な価値のことです。

機能的価値は「納品スピード」「クオリティの高さ」「価格」、情緒的価値は「信頼性」「権威性」みたいな感じでしょうか?

そうですね。ご自身の事業で指標になりそうなキーワードを挙げて、その反対語を考えてみると良いと思います。「繰り返す」と「1度きり」や「キュート」と「クール」とか。

何を軸に置くべきか、判断が難しいですね。

ここでも、ご自身の戦略上位概念に立ち返ってみましょう。ふじねさんのビジョンは「事業者にとって手近で身近な存在になる」でしたね。何があれば手近で身近な存在になりうるでしょうか?

最近考えていたんですが、日本全体で「ライターといえばふじねさん」と想起されるのは難しいけれど、コミュニティレベルなら想起されるポジションに立てるなって思ったんです。「思い出しやすさ」って、価値になりますか?

「思い出してもらえる」というのは主語が「自分」になっているので、ここでは相手軸で考えてみましょう。

例えば、私がライターを探すとき「表現の幅」があるかどうか考えます。「採用向けに若い人たちから受け入れられやすい文章がほしい」「研究機関が読みやすいルールに則った文章がほしい」など、どんなニーズがあって、どのポジションに自分がいるかを把握できるといいですね。

これは何度も考えながら見極める必要がありそうです。

最終的にこんな形になりました。

※この記事の後に出てくる「ブランドアイデンティティ」の項目で、関谷さんに「事業をワクワクしながら聞いてくれる人って、なかなかいませんよ」の言葉から、情緒的価値に「ワクワク」を加えました。フレームワークを行ったり来たりしながらセグメントを絞る工程が大事だと思いました。(ふじね)

お客様の買う理由・買わない理由を整理する:POP・POD

POP(同質化要素)はどの競合も最低限備わっていないと買わない要素。POD(差別化ポイント)は他社と比較して自社商品を買う理由になる優位な要素です。最低限守らなければ売れない基準と競合より優れている要素をはっきりさせ、なぜ買うのか(なぜ買わないのか)、差別化ポイントを明確にします。

簡単にいうと、POPは「これがないと競争にならない、最低限必要な要素」。PODは「他者とは違う優位性がある要素」ですね。

ライターで例えるとPOPは「予定通り納品される」「誤字脱字がない」といったことですね。

POPは「顧客」にとって必要な要素が対象になりますが、PODは「顧客」にとって「私(自社)」だけが提供できるものを書き出すので、登場人物が2人になります。

自分の差別化要素がありふれているような気がして、誰とも違う差別化要素が思いつかないときはどうしたらいいでしょう……?

例えばふじねさんの場合、「ウェブ解析士」は大きな差別化要素になりますよね。クライアントがすべてを語らなくてもウェブコンテンツの知識をもって執筆してくれる点で。

なるほど。そうか、強みを掛け算していくと、自分だけの差別化要素が出せそうですね。

心理的阻害要因は、顧客が購入をためらう要素です。例えば「出来上がりの質が良いか」ですね。これはクリエイター職全体に言えることだと思います。その心理的阻害要因を取り除くために「ポートフォリオを作る」のが言い訳の提供にあたります。

効果がみえづらい点は、効果測定までセットで売ることで言い訳の提供になりそうですね。

なるほど。解析と効果測定はパートナーにお任せする、というのも課題解決方法としてアリですね。

「つまり、あなたは誰に何を提供するのか?」を言語化する:ブランドアイデンティティ

ブランドイメージとポジション、差別化ポイントを明確にしたあとは、ブランド・アイデンティティを言語化します。

これには切り口がいくつかあります。ひとつはターゲットから掘り下げる方法。お客様のニーズにどう応えるのかを元にします。「なぜターゲットは私に頼むのか」を掘り下げるとか。

そうですね……。どんな場所で、どんなものを、どんなふうに提供しているか言語化できるとよさそうですね。

ブランドアイデンティティは「顧客への約束」とも言われています。わかりやすいのは「早い・安い・うまい」ですね。

確かに、すぐ吉野家が頭に浮かびますね。

ふじねさんが持っているこだわりってありますか? 事業へのこだわりや創業の思いにヒントがあると思います。

僕がマーケターをやろうと思ったのは楽しいから。楽しいって思わない人もいるなかで、楽しくできる仕事が一番だと思ったからなんですよね。

それくらいシンプルに考えるなら、お話を聞いていてワクワクするからですね。自分が見知ったワクワクを、もっと多くの人に伝えたい思いをもって起業しました。

それは大きな差別化ポイントだと思いますよ。自分では伝えきれない思いを共感しながら聞いてくれて、さらに広めてくれるのはビジネスにおいて大きな存在になるんじゃないかと。

事業の提供価値を言語化する:提供価値の整理

ここまで分析・言語化したポジション、要素をもとに、提供価値と根拠を言語化します。

機能的価値は客観的な判断基準があると良いです。例えばプリウスの燃費の良さは機能的価値。燃費がいいことで地球環境に貢献している意識を持つことができるのは情緒的価値です。

ライターなら、5000文字の文章が1時間で出来上がるとか。情緒的価値は、「事業のワクワクする話を共有したくなる」という点でしょうか。

自己表現価値は、それを所有・利用することが価値になるというものですね。トヨタの86に乗っている=「こだわりを持ってスポーツカーを乗りこなす自分」を表現できるので、自己表現価値と言えます。

ライターならば、その業界で有名な人が関わったことで自分にも付加価値がつくようなイメージですね。自分には当てはまらないかも……。

機能的価値、情緒的価値が書けたら、それを実現できる根拠=RTB(Reason To Believe)を書いてみましょう。

ペルソナに立ち戻り、今回挙げた価値がペルソナにとって価値になっているか、整合性を確かめながら言語化してみてくださいね。

次回は「マーケティング・ミックス」「カスタマージャーニーマップ」

いよいよ一番重い、4P分析とカスタマージャーニーマップです。

すでにお腹いっぱいですが、頑張ります!

この講座で使うフレームワークはnote「フレームワークを活用したマーケティング戦略の描き方を解説します!」でまとめています。あわせてご一読いただき、ご自身・自社の戦略設計にご活用ください。

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