SEO記事のキーワードを選ぶとき、検索ボリュームだけを見て決めるのは少し危険です。

検索されていても、自社の事業と関係が薄ければ意味がない。競合が強くても、自分たちだから出せる情報があるなら挑戦する価値がある。すでにGoogleから評価されているテーマなら、新しい記事を書くより既存記事を改善した方がいい場合もあります。

私自身、SEO記事のテーマを考えるときは、主に次の4点を見るようになりました。

  • すでにGoogleから評価されているテーマか
  • 実際に検索需要があるか
  • その検索意図に自分たちが答えられるか
  • 自分たちだから出せる一次情報があるか

今回は、この判断を毎回ゼロから行うのではなく、ある程度仕組み化してみました。

Search ConsoleやKeyword Plannerなどからデータを自動で集め、記事候補を整理する。

ただし、「何を書くか」の判断までは自動化しない。

候補が出たところで一度AIと壁打ちし、SERPを見るべきキーワードを決める。

実際に作ってみると、自動化そのものより、どこで判断を入れるかを決めることの方が重要だと分かりました。

なぜSEO記事のテーマ選定を仕組み化しようと思ったのか

これまで自社サイトの記事は、自分が仕事の中で得た知見から企画することが多くありました。

「この分析方法は記事にできそう」

「同じことで困っている人がいそう」

そんなところからテーマを考えて、チャッピーと壁打ちしながら構成を作る。

この方法自体は悪くありません。

実際の案件で経験したことを起点にするので、一般論だけの記事になりにくいからです。

一方で、一つ気になることがありました。

そのテーマは、実際に検索されているのか。

自分にとって面白いテーマが、必ずしも検索されているとは限りません。

逆に、自分にとっては当たり前すぎて記事にしていなかったことが、多くの人に検索されている可能性もあります。

そこで今回は、

「自分が書きたいこと」から始めるのではなく、

検索市場を見たうえで、自分が書く意味のあるテーマを探す

という順番を試してみることにしました。

今回つくったSEO記事企画の流れ

現在は、次のような流れで記事候補を整理しています。

Search Console
↓
Keyword Planner
↓
候補の整理・分類
↓
優先候補の一次選定
↓
AIレビュー
↓
SERP分析
↓
記事設計

前半はデータ処理です。

後半になるほど、人間やAIによる意味の判断が増えていきます。

SEO記事企画でSearch ConsoleやKeyword PlannerのデータからSERP候補を絞り込むSEO Research Dashboard
図1:Search ConsoleやKeyword Plannerのデータを集約し、277件の候補からSERP候補5件まで絞り込んだDashboard。

まず、すでに評価されているテーマを見る

最初に見るのはSearch Consoleです。

新しいキーワードを探す前に、どんな検索語で表示されているか、何位くらいにいるか、表示されているのにクリックされていないテーマはないか、どのページが評価されているかを確認します。

すでに10位前後まで来ている記事があるなら、新しい記事を増やすよりリライトした方がいいかもしれません。

SEOというと「次に何を書くか」に目が向きがちですが、すでに持っている評価を確認することもキーワード選定の一部です。

次に、新しい検索需要を広げる

既存評価を確認したあとで、Keyword Plannerから関連する検索語を広げます。

今回であれば、

「SEO 記事」
「SEO キーワード 選定」
「SEO コンテンツ」
「Search Console キーワード」

などを起点に候補を集めました。

ここで大切なのは、検索ボリュームの大きい順に並べて終わらないことです。

候補が増えるほど、

「検索されてはいるけれど、自分たちとは関係が薄い」

というキーワードも増えてきます。

そこで、検索需要に加えて、既存評価やテーマとの関連性を見ながら候補を整理します。

SEO記事やSEOキーワード選定などSeedごとに関連キーワードを分類したCluster Summary
図2:Seedをもとに関連キーワードを動的にクラスタリング。固定分類ではなく、テーマに応じて候補を整理できるようにした。

検索ボリュームが大きい=書くべき、ではない

今回のテストで、この問題がかなり分かりやすく出ました。

SEO記事企画について調べるために候補を自動生成したところ、

「キーワードプランナー グーグル」

という検索語が上位候補として出てきました。

検索需要はあります。

今回設定したテーマとも一定の関連性があります。

データ上は、候補になる理由があります。

ただ、私が今回書きたかったのは、

「Googleキーワードプランナーの使い方」

ではありません。

同じように「SEO AI」も候補に上がりました。

こちらも検索数は比較的大きい。

しかし実際に検索結果を見ると、AIでSEO記事を書く方法、ChatGPTのSEO活用、AI検索対策、AIOやGEOなど、さまざまな検索意図が混ざっています。

今回書こうとしていた記事とは少し違います。

この時点で、

数字として有望なキーワードと、自分たちが今書くべきキーワードは同じではない

ということがよく分かりました。

検索ボリュームとSERP優先スコアを並べてSEO記事候補を評価するOpportunities一覧
図3:検索需要の大きいキーワードが上位にあっても、そのまま記事化するわけではない。自動選定したSERP候補は、次のAIレビューに渡すための一次候補として扱う。

自動化だけでは「書くべき記事」は決まらなかった

ここは今回、仕組みを作って一番面白かったところです。

データ取得を自動化する。

候補を整理する。

検索ボリュームを評価する。

既存順位も見る。

ここまでは仕組み化できます。

でも、

「なぜ今この会社がこのテーマを書くのか」

までは、数字だけでは分かりません。

たとえば検索数が1,000あるテーマと、検索数が200しかないテーマがあったとします。

前者は競合も強く、自社だから書けることがほとんどない。

後者は検索数こそ少ないものの、自社に実案件のデータや経験が大量にある。

この場合、後者を書いた方がいい可能性は十分あります。

ここまで判断しようとすると、単純なスコアリングだけでは足りませんでした。

そこでSERPを見る前にAIレビューを入れた

最初は、自動で出した上位候補をそのままSERP分析へ回す想定でした。

途中でやめました。

今は、候補が出た段階で一度チャッピーに見てもらっています。

聞くのは、

「この記事を書いて」

ではありません。

「この候補、本当に調べるべき?」

です。

今回の企画テーマからズレていないか。検索意図が広すぎないか。検索数だけで選んでいないか。自分たちが出せる一次情報があるか。このSERPで競う意味があるか。

こうした観点で確認します。

今回もこの工程で、「キーワードプランナー グーグル」より「SEO キーワード 選定」や「SEO 記事 構成」の方が今回の企画に近いと判断しました。

結果として、SERPを見る前に候補を入れ替えています。

AIは「記事を書く人」より、判断の壁打ち相手として使う

生成AIをSEOに使うというと、記事本文を書かせる用途がまず思い浮かぶかもしれません。

もちろん、それもできます。

ただ、私が今回価値を感じたのは別のところでした。

判断に違和感がないか確認する相手として使うことです。

SEOのデータには数字があります。

検索ボリューム、順位、表示回数、クリック率。

数字があると、つい「これが正解なのでは」と感じます。

でも、その数字が事業にとって意味があるとは限りません。

そこで、

データが候補を出す。
AIが意味を確認する。
最後は人間が決める。

という形にしました。

今のところ、この役割分担が一番しっくりきています。

データ・AI・人間で役割を分ける

今回の経験から、SEO記事企画では役割を分けた方が扱いやすいと感じています。

データに任せること

検索データの取得や整理は、できるだけ自動化します。

Search Consoleの実績、Keyword Plannerの検索需要、候補キーワードの整理、類似テーマの分類、優先候補の一次選定。

ここは同じ作業を繰り返すので、人が毎回手作業する必要はありません。

AIに任せること

AIには、数字だけでは分からない文脈を見てもらいます。

検索意図の整理、今回の企画とのズレ、競合記事の共通点、競合が十分に答えていないこと、候補をSERP分析する価値があるか。

「正解を決めてもらう」というより、自分の判断を疑う相手として使っています。

人間が残すこと

最後まで人間が持つべきだと思うのは、事業として何を伝えたいか、本当にそのテーマに答えられるか、顧客や案件の一次情報をどこまで出せるか、何を優先するか、最終的に何を書くか・何を書かないかという判断です。

ここまで自動化する必要はないと思っています。

同じ仕組みを作らなくても、最低限この4つは見る

今回私はGoogle APIやApps Scriptまで使って仕組みを作りました。

ただ、同じものを作らなければSEOキーワード選定ができないわけではありません。

記事テーマを決めるときに、最低限次の4つを確認するだけでもかなり変わると思います。

1. すでに評価されているか

Search Consoleを見て、既存記事で取れているテーマがないか確認する。

2. 実際に検索されているか

Keyword Plannerなどを使い、検索需要を確認する。

3. その検索意図に答えられるか

SERPを見て、検索者が求めている回答と自社が書こうとしている内容が一致しているか確認する。

4. 自分たちだから書けることがあるか

実績、データ、失敗、判断基準など、他の記事にはない一次情報を出せるか考える。

この4つを見て、

「検索数は多いけれど今回は書かない」

という判断ができれば、それも立派なキーワード選定です。

仕組み化して分かったのは、自動化する範囲を決めることの方が重要だった

今回、最初はなるべく全部自動化したいと思っていました。

データ取得も自動。

候補整理も自動。

スコアリングも自動。

SERP候補も自動。

実際、かなりのところまではできます。

でも、やってみると、

自動化できることと、自動化していいことは違う

と分かりました。

以前、ウェブ解析を自動化したときにも似たことを感じています。

数字を集めるところまでは自動化できる。

ただ、

「この数字を見て何を変えるのか」

は別の判断です。

SEO記事企画も同じでした。

候補を集めるところまでは自動化する。

AIと一緒に意味を確認する。

最後は自分たちが書く意味を考える。

今後もこの形で運用してみようと思っています。

まとめ:SEOキーワード選定は「何を書かないか」を決めるところまで

SEOキーワード選定というと、

「検索ボリュームの大きいキーワードを探す」

というイメージを持つかもしれません。

もちろん検索需要は重要です。

でも、それだけでは記事を書く理由にはなりません。

すでに評価されているか。
検索されているか。
検索意図に答えられるか。
自分たちだから出せる情報があるか。

そのうえで、

「今回は書かない」まで判断する。

ここまで含めてキーワード選定だと考えています。

データ収集は自動化する。

AIには壁打ち相手になってもらう。

最終判断は人間が持つ。

今回仕組みを作ってみて、SEO記事企画ではこのくらいの距離感がちょうどいいと感じています。

記事のテーマを決めた後は、サイト全体の情報が検索エンジンや生成AIにどう伝わるかも確認しておきたいところです。AIからのサイトの見え方を調べ、SEOの基本を見直した実例も紹介しています。